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最終更新日:2008年3月31日

実態調査と支援活動から

NPO法人 くらしえん・しごとえん
静岡県浜松市中区佐鳴台3-52-23
電話:090-3253-9485
電話/ファックス:053-448-7387
Eメール:info@kurasigoto.jp
URL:http://www.kurasigoto.jp/
鈴木 大介

団体活動内容

シンポジウムの様子
  • 障害をもつ人のための就労支援が中心
  • 職場的応援助者養成研修(厚生労働省指定)やジョブコーチ支援のスキルをテーマとした各セミナー等の、支援者育成事業
  • 企業への雇用支援、啓発セミナーの開催
  • 就労を支える余暇支援事業
  • 就労移行、就労継続事業を実施する作業所への作業環境分析
  • 本人、家族、企業を対象とした相談事業(随時)

ヒアリングと支援活動を通してみえてきたもの

困難をかかえながらの社会参加、特に企業就労という難易度の高いステージに立つことは容易ではない。特に中途障害者にとって「できていた頃の自分」と比較せずにはいられない心理は想像を絶する。今回、突然の事故による身体的ダメージや、精神疾患、難病などにより身体機能を失った人にヒアリングを実施しその置かれている現状を知った。活用している支援制度は何か、その情報源はどこか、まずどこに相談に行ったのか、その使い勝手はどうか、など。共通するのは、受傷前には縁のなかった所に突然立たされ、自分達の責任においてその後の歩む道を探していかねばならないということ。

情報収集の面でいえば、支援サービスなどの必要な情報を収集するために重要なのは当事者組織の存在で、組織活動が充実していればそこを通じて多くの情報を速やかに収集できる。組織の存在も知らない状況では情報が自動的に降ってくるシステムではなく、改善されるべき面が多い。

サービスの質の面では、職を失ってしまった後の就職支援についての問題が数多く出た。周囲の理解を得て可能な限り早く社会復帰するために段階的なサポートが用意されてはおらず、ほとんど自力で就職活動している実態が分かった。

また、非常に理解され難い障害のひとつに高次脳機能障害がある。これはひとつの障害区分に該当しないことが多く、障害者手帳をむりやり取得しないことには障害者手帳ベースのサービスが使えず、専用のサービスの開発が待たれる。

今回ヒアリングを実施し、予期せぬ病気やアクシデントに見舞われるのを普段から想定することは難しいが、我々は常にどのような状況に陥っても何らかの支援策があるはずだ、という姿勢で情報をキャッチするセンスを磨かなければいけないということを感じた。また一方で、そのような状況に置かれてしまった人には、その後少しでも安心して人生設計できるよう、パターン化されたルートから情報提供されなくてはならないとも思う。

就労支援の面では、ここ1から2年、ジョブコーチ支援対象のうち中途障害者の割合が急速に広がりを見せており、支援者側のスキルアップも急務と感じる。従来のジョブコーチ支援は、その人の人生の輝かしい‘一歩’を支えるものであり、その前提で支援活動を進めるが、しかし中途障害者にとって‘社会復帰’は切実であり、深刻な問題であることを再認識した。たとえ就職できても、それを維持し続けるためには、本人の感じるプレッシャーやそれを支える周囲の人々のストレスを軽減するための社会的支援も不可欠である。今回のリサーチ結果が、いつ同様の状況に陥るか分からない我々も含め支援を必要とする人たちの助けになれば幸いである。

支援の一例報告

提言

  • 支援サービス情報の獲得手段のパターン化
  • 医療・福祉と民生委員・自治会の連携を促進させるための中間支援事業の強化
  • 派遣業界における障害者雇用の問題予防(派遣法、障害者雇用促進法改正など)
  • 中途障害者の社会復帰支援専門員(広範囲をカバーするコーディネーター)の育成事業の予算化(ジョブコーチ、社労士、作業療法士、心理士…などの分野)
  • 助成制度や支援施策の枠外(例外ケース)での活用、条件の緩和
  • 家族や親戚、会社従業員など、本人を支える人たちへの人的支援施策
  • リハビリテーションの総合評価機能の充実(身体リハ、精神面のリハ、社会的リハ…)
  • 中途障害に関する知識習得や啓発の場の充実
  • 余暇支援プログラムの充実

就労に関して(職場復帰時の課題)

  • 急性期の後、リハビリのプロセスで会社と対立構造を生むパターンが多い
  • 労働条件変更で折合いがつかずに解雇され、本人・家族が精神的ダメージを負う
  • 医療・福祉現場と労働現場の連携がうまくいかず、取り組みがかみ合わない
  • 周囲の従業員への正確な情報提供が難しい

→状況を総合的に評価し、継続か否かより客観的判断を下す、あるいは関係者をフットワークよく収集できるコーディネーターが必要。

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